| カラー豆知識読本 | ||||||||||||||||||||||
| ◆インタビュー 「第一線で活躍する女性」 自然界のルールに則したカラーコーディネートで「売れる」色を追求する 株式会社 アルファプランニング社長 中神 公子 プロフィール:なかがみ・きみこ インテリアコーディネート・建築デザインを専攻。カラーキィ・プログラムの米国ライセンス取得。 平成元年、アルファプランニング社設立。 平成七年、日本色彩ビジネスアカデミー設立、現在に至る。 カラーキィ理論と出会って ― カラーアナリストという色の分析の仕事も、世の中に定着してきました。中神さんは、"売れる色"について、いろんな業種のコンサルティングをなさって注目を浴びていらっしゃいますが・・・。 中神 ええ。最近のように、景気が低迷するなか、良いものを作れば売れていくとは限りません。でも、商品によっては、突然火がついたように売れていったり、企画が当たったりするモノがありますよね。 ― 確かに、意外なほどヒットする商品があります。 中神 そういう商品には、必ず「商品の仕掛け」と「色の仕掛け」の両方が、行われているのです。 ― それが、繁盛色だと。 中神 そうですね。色の力とでもいいましょうか。私どもは、モノ作りに際して、色彩がいかに大切な鍵になるかを提案しているのです。そもそも私が、色の大切さ、難しさを知ったのは、インテリアデザイナーをしているときでした。 当時の私にとって、仕事で一番悩むのが、色の問題だったのです。壁紙や天井、タイル・・・の色について、お客さまが気に入るだろうかと、いつも不安を抱えていました。 そんなときに、アメリカのカラーアナリストから指導を受け、色の組み合わせの理論である、「カラーキィ理論」を学びました。私は、それからというもの、違った視点で色のおもしろさに魅かれ、色を極めていくなかで、いろいろなことがわかってきたのです。 ― まず、「カラーキィ理論」について話していただけますか。 中神 この理論は、色には自然界のルールにのっとった原理原則があるということです。十年ほど前、この理論を学んだ時、色には神様が作ったルールがあったんだなぁ、と感嘆せずにはいられませんでした。 と申しますのも、自分の感覚だけに頼らず、この理論に基づいて、カラーコーディネートをし、色をシステム化できるようになったのです。この理論が、私のカラーアナリストとしての基礎となりました。 お客さまの好みが一目でわかる ― 自然界のルールとは? 中神 どういうことかと申しますと、この世の中、色はすべて、ブルーベースとイエローベースに分類されています。例えば、赤でも、ブルーベースの赤とイエローベースの赤があります。私たちは、花を見てきれいだなぁと感じますよね。そう感じるのは、ベースが整っているからにほかなりません。 わかりやすく説明しますと、バラの花びらが、サーモンピンクでイエローベースのピンクだとします。そうしますと、葉も茎もイエローベースの緑や茶しか持っていないのです。 それを、イエローベースと、ブルーベースを交ぜた花束にすると、色が見えないところで喧嘩をします。何かやぼったいね、と思ってしまう。ですから、このような自然界の色彩法則である、カラーキィ理論で、ベースを分析して、どう色を組み合わせるか。それが、カラーコーディネートの基本といえます。実は、この理論は人間にも成り立つんですよ。
― といいますのは。 中神 お客さまを見ますと、好みが一目でわかるようになりました。つまり、人間も皮膚の色素で、ブルーベースとイエローベースに分かれます。それを見ますと、人間の嗜好性が判断できるのです。よって、インテリアの色を決定するときも、決定権者が持つベースと違う色を提案してもオーケーがなかなか出ません。 私は、この理論を知るまでは、一、二時間お客さまと打ち合わせをしながら、嗜好性を探っていました。ところが、この理論を修得してからは、目的にかなった色選びが即座にできるようになったのです。 ― 人が、わかるようになられた。 中神 ええ。そのころから、講演することが多くなり、色について専門学校や大学で教えたり、企業の販促にかかわる仕事が増えてきました。色の原理原則を理論づけて説明できますので、企業は取り入れやすかったと思いますね。フリーで仕事をしているうちに企業の仕事が多くなり、七年前に会社をつくりました。私は次第に、プロの色を手直しする仕事も手掛けていくようになりました。 色彩の戦略化 ― プロの色を手直しするとは? 中神 例えば、企業のデザイナーが作った商品の色や形の組み合わせがその商品の目的に合っているか、販促効果が出ているかなどを調べるわけです。実は色を極めていくなかで、一つの法則があることに気がつきました。商品が売れるかどうかは"色とデザインと素材"のバランスで決まるといっても過言ではない、ということです。 色の責任が八割とすれば、二割がデザインと素材だということ。やはり、デザイナーは、不特定多数の人のためにモノを創る場合、実務経験と感覚だけでは売れる商品を創り続けることはできません。 ― 企業のデザイナーには、煙たがられる存在になることもあるのではありませんか。 中神 数字を背負っているデザイナーさんには、受け入れられても、他のデザイナーには嫌われることもあります(笑)。 ― どういうふうに調和していかれるのですか。 中神 まず、黒子に徹するということです。つまり、一つの商品企画が成功して話題になっても、雇ってくださった会社が発展すればいい、ということに尽きます。 ― 黒子に徹するのは、大変なことですね。 中神 それは、私自身がインテリアデザイナーとして住宅産業にかかわり、お客さまの要望を具現化することを最優先に考えてきたからだと思いますね。建築業界は、クレーム産業であり、素材も多種類扱います。ですから、建築業界で仕事をしてきたことが、大変役に立っていると思います。とりわけ、いろんな素材に強いということが、仕事の幅を広げているようです。 ― いまは、業種を問わず"売れる色"が求められていますからね。 中神 ええ。現在、私どもの仕事は四割が建築関係で、ほかはさまざまな業種の仕事にかかわっています。そのなかで、色彩を戦略化するにはどうすればいいかを提案し、その企業のシステム作りをしています。 例えば、ある会社がクリーニング業界に参入するとします。社長が、ブルーがいいといったら、まずどのブルーにするか、そしてその色と何色を組み合わせるかが問題です。 そして、ターゲットにしている主婦が好むブルーをはじき出していく…といった具合です。 ― 理論的な組み合わせですね。 中神 まさに、色は、感性じゃなく算数だと思いますね。ある意味では、色に理論的に取り組むという、人と違った歩みのなかで、道が開けてきたように思います。そして、色の力で、お客さまを幸せにできることを、いま大変幸せに思っているのです。 |
||||||||||||||||||||||
|
|